2009/12/28

税効果会計の必要性

近年、税効果会計が重要性を帯びています。
一説によると企業が会計上で算出する利益計算の目的と、税法上の会計で行われる課税所得計算の目的に違いがある事が、税効果会計が必要だと言う理由になっていると言われています。
では、2つの会計における目的とはどんな物でしょうか。

先ず企業会計の目的ですが、会計をする期間内で企業にとって適正な業績評価が行える様に、利害関係が関わる所に対して企業の財政状態や経営成績を明示する事を目的としています。
一方税法上の会計での目的ですが、課税所得計算とは課税を公平に行う事を主な目的とし、安定的に税金が徴収される事、また様々な政策を考慮した上で税額を適性に算出すると言う事を目的としています。

このように同じ税額を求めるとしても目的が違うので、企業会計上での計算とは違う計算方法で課税所得計算を行っています。
とはいうものの、企業会計で算出された当期純利益をベースにして課税所得計算が行われますので、基礎的な金額に関しては同じになります。あくまでも会計上に置いて差異が現れるなのです。

課税所得の金額は当期純利益をベースにして、税法上の規定で調整額が加えられる事になります。更に会計処理をして法人税等調整額が算出され、税引き前当期純利益と調整がとれる事になり、合理的に調整されます。

税効果会計で使われている繰延税金資産

税効果会計というと、会計処理の中でも特に重要性が高い処理ですが、とても難しい為に導入する事自体を検討しているがちょっと敬遠しているという企業が多くあると思います。中小企業にとっては強制的ではない為に、導入している所も少ないと思います。
税効果会計の中でも「繰延税金資産」と言う項目に着目して話をしてみたいと思います。

繰延税金資産
繰延税金資産と言う言葉を聞いた事があるでしょうか。これを取り崩す事によって悪化していた業績の下方修正が出来る事も多いので、経営者であれば名前くらいは聞いたことが有ると思います。

繰延税金資産は、税効果会計に関係している会計基準で表される概念になるのですが、企業会計審議会で発酵されている会計基準書を読んでも、定義付けは明確にされていません。その為に、人によって受け取り方に差が出て来ると思うのです。

とは言う物の、共通的に思われているのが、その期に支払った税金の中で、来期以降に含む事が出来る金額が有るとか、将来回収出来る税金であると言う様な定義付けになっていると思います。

また、繰延税金資産は将来減算一時差異、または繰越欠損金に実効税率を掛けて金額を算出していますので、言わば仮勘定の様な物と思ってよいかと思います。

2009/12/27

税効果会計の「実効税率」

税効果会計では「実効税率」と言う言葉が使われています。
実効税率とはあまり聞かない言葉だと思いますが、税効果会計では使われている言葉なので少し説明してみたいと思います。

税効果会計で使用されている税率と言うのは、納税を実際に行う時に計算で使われる税率とは違います。
法人の方が納税をする際には、国税である「法人税」の他に、「事業税」、都道府県免税・市町村民税と言った「住民税」も合わせて納税しなくてはなりません。

こう言った税金面を全て合算して考慮した上で実効税率を算出し、税金を計算して行きます。
実効税率の計算式は、[法人税率+(法人税率×住民税率)+事業税率]/(1+事業税率)になります。

但し、住民税と事業税に関しての税率は、標準的な税率を採用している訳ではなく、制限税率またはそれに近い税率を使用している自治体が意外と多いと言う事実があります。

例を挙げて言うと、住民税率が20.7%、事業税率10.08%、法人税率30.0%で計算してみると実効税率は42.05%になりますので、この税率が使用される事になります。

これは東京23区の場合の計算になりますが、年間所得が800万円以下の場合については、比較的低めの税率が適用される事になりますので、合わせて実効税率も低くなると言う事になります。
また、結果として節税効果が生じる可能性があります。この事は事業税が支払われる日を含んでいる事業年度に対し、損金算入が行われている為だと言われています。

2009/12/25

税効果会計の会計処理について

税効果会計で行われている会計処理について、今回は説明してみたいと思います。
企業では、法人税や事業税、住民税等を算定する為に、先ずは課税所得を計算する事にしています。算出された課税所得は会計上で算出された利益を基にしているものの、実際の利益の額とは一致する事は殆ど有りません。これは課税所得で行う計算と、会計上で行われる計算では目的が異なる為だからです。
この為資産や負債、または収益と費用に関しては差異が出て来る事が基本的な事になります。

税効果会計とは一時差異と言って会計上と税務上の金額に差異が発生した場合に、会計上で計上された税引前当期純利益と法人税等の税金類を調整する為、税金類に対して期間配分する手続きの事を指しています。

一時差異には種類があり、一時差異が解消される期に発生した課税所得を減算させる効果がある「将来減算一時差異」、逆に増額させる効果がある「将来加算一時差異」が有ります。この内、将来減算一時差異に実効税率を掛けた物を「繰延税金資産」と言い、逆に将来加算一時差異に実効税率を掛けた物を「繰延税金負債」と呼んでいます。

例えば、企業の会計上において賞与引当金を計上します。するとその期の買い税所得は計算上、損金不算入と言う事になります。しかし、賞与を支払った次の期の課税所得は、計算上損金算入と扱われる事になります。よって、次の期の課税所得を減算させる効果が生じると言う事になる為、賞与引当金も将来減算一時差異の1つとして扱われます。

2009/12/21

繰延税金資産は回収の可能性があるか

税効果会計では“繰延税金資産”という項目が有りますが、これは将来的に過去に発生した一時差異が解消される期に対して、法人税と言うような税金の支払い額を減額させてくれる効果が期待できるものです。

しかし、繰延税金資産として計上するには前提となる物が有ります。それは過去に発生した一時差異が将来的に解消される迄の期間内に将来減算一時差異を課税所得によって相殺出来る事です。
つまり、以下に挙げる要件のいずれかを満たしている必要があるのです。

先ず最初は、企業が将来的に見ても業績が良好であると考えられる場合、課税所得が発生する可能性が有る期間として、将来減算一時差異が解消される期で有る事、繰越欠損金が発生している時の繰越期間で有る事が挙げられます。

次に、将来減算一時差異が解消される期で有る事、または繰越期間で有る事の場合、例え企業の業績が悪かったとしても、課税所得を発生させる為に資産を売却する事が出来る事。

以上の他にも有りますが、こう言った要件が満たされている事が前提となります。
そこで問題となるのが、繰延税金資産が回収出来るのかと言う点です。

何故かと言うと、繰延税金資産が上記の条件に該当しなくても計上された場合、資産や利益が計上されたとしても架空計上になってしまうからです。
こうなると回収は難しくなってきてしまいますので、十分に情報収集をしたりスケジューリングを立てたりする必要があります。

2009/12/19

税効果会計の導入

税効果会計は大手企業での導入はもちろんのこと、中小企業でも導入され始めてきました。
比較的大きい会社でしか使われないだろうと思われがちな税効果会計ですが、小さい会社でも黒字計上出来るようであれば税効果会計を使った方が良いかもしれません。

そもそも税効果会計とは、税法上で計上された損金と会計上で計上された費用の金額に差異が生じてしまう事が多々ある為に、必ず未来的に再調整する必要が有ります。そこで調整してくれるのが税効果会計になるのです。

とはいうものの、税効果会計処理をわざわざやらなくても良いと言う企業もあります。では、どういった企業であれば税効果会計を行った方が良いのでしょうか。

税効果会計は、日本では比較的新しく導入された新会計基準になっていて、これ以外にも連結財務諸表へ転換させる処理だとか、キャッシュフロー計算書を導入しているとか、様々な費用を計上させる会計処理が有ります。そんな中、一番聞き慣れない会計処理が税効果会計になるので、きちんと処理が出来る人がいる事が先ずは大前提になります。

多くの中小企業は、税効果会計を適用する事を強制されてはいませんが、ゆくゆくは導入を迫られる環境に置かれるかもしれません。今導入をしていないのであれば、講習を受けたり、実際に触れたりして慣れて行くのが良いでしょう。

2009/12/18

税効果会計における繰越税金資産とは

まず「繰越税金資産」とは、税金を前払いしておく様な物と考えて良いでしょう。
逆に税金を払わないで未払い状態の様な物を「繰越税金負債」と呼んでいます。
繰越税金資産や繰越税金負債と言った、どちらの事象も税効果会計においては大切です。

社会において、法人と言う立場で行っている場合、法人税を国に支払わなくてはなりませんが、その他にも事業税や住民税と言った税金も合わせて支払わなくてはなりません。たくさんの税金を支払う事で法人と言う立場が成り立っていると言って良いでしょう。

例えば通常支払わなくてはならない法人税が有ったとします。何らかの理由で支払わなければならない法人税が増えてしまった場合、元々支払う予定の法人税との差額を「繰越税金資産」と言う科目で税効果会計では計上される事になります。

そしてその繰越税金資産を法人税等調整額として法人税から差し引かれる場合もある事、またその処理の事を税効果会計と呼んでいるのです。ですから税効果会計と繰越税金資産は密接な関係であると言えるのです。

税効果会計では繰越税金資産や繰越税金負債の他にも様々な用語があり、それぞれ大切な意味を持っています。それらの用語を理解する事により、更に税効果会計を効果的に利用出来るようになると思います。

2009/12/17

税効果会計 海外では

税効果会計は、海外ではかなり昔から導入されていて利用されてきたようです。日本で導入されたのはかなり後の様で、遅れを取っていたということです。
海外では税効果会計と言うとかなり定着している会計処理の様ですが、ここで1つ疑問が有ります。

会社に税効果会計システムが導入されているからと言って、単なる経理を行っている事務員の人が簡単に使いこなせる程、簡単なシステムなのでしょうか。それ専門の人材を雇用しないと日本では使いこなせない感じがします。海外ではどうなっているのか、少し気になる所です。

税効果会計が近年増加傾向に有るとは言え、まだまだ認知されるくらいメジャーな物では有りません。税効果会計を導入したからと言って直ぐ様企業の節税に繋がるとも分かりません。また海外に導入されている税効果会計とはもちろん意味合い的にも違っているでしょう。

この様にまだまだ問題は山積みだと思いますが、更に普及していくと思いますし、益々便利になってくると思いますので、勉強していきたいですね。

2009/12/14

税効果会計と簿記の知識

以前は税効果会計と言う言葉さえ知られず、経理や商業の学校でも授業に取り入れている所は少なく、逆に簿記に関する勉強をたくさんやっていると言うイメージがありました。

今では税効果会計が出来ないと、いくら簿記の2級や1級を持っていても企業の経理内ではあまり意味が無くなっている気さえします。

実際にインターネット等で調べてみると税効果会計と簿記についてもたくさん書かれていますので、税効果会計だけ出来れば良い、簿記だけ出来れば良いと言うわけではなく、両方の知識が必要だという事が分かると思います。

簿記の知識を持っている人が税効果会計の必要性を感じ、勉強を始め、説明も具体的に数字を挙げて説明していたとしても、実際にはそう簡単に理解出来ないのが税効果会計の難しさではと思います。
例えば簿記2級の方が知っている知識では税効果会計の計算は出来ないけれども、簿記1級を持っている人であれば多少は分かる、という感じです。こう考えてみると税効果会計を始めていくのであれば、簿記1級の知識は欲しいところですね。

実際にインターネットや本では分かりやすく説明している所もありますが、ある程度の知識が有ってこそだと思いますのでやはり熱心に勉強することは必要です。

密接な関係を築いている、税効果会計と簿記。どうせ税効果会計をマスターするならば、準備段階として簿記の資格を、出来れば1級の資格を取得してみてはいかがでしょう。

2009/12/13

税効果会計の入門書

税効果会計は、ソフトを実際に使いながら覚えていこうとしても、言葉が分からなかったりやり方が分からなかったりして、なかなか思うように進みません。

そこでまずお勧めしたいのが、税効果会計の入門書を読んで知識を少しでも付けてから実際に取り掛かると言う方法です。

企業では、今後ますます税効果会計の必要性が感じられるようになってくるでしょう。その為に税効果会計の事を理解し勉強する必要があります。

まずは入門書を見てみて、税効果会計とは何かと言う事、どんな言葉が使われていて意味はどういう事なのかと言う事を勉強してみて下さい。

さて次に、税効果会計の実務本等が有りますので実際に税効果会計を使うテクニックを、具体的に例を挙げながら説明していきます。

税効果会計に関する本はたくさん有りますので、自分に合った本を選ぶようにして下さいね。
しかし税効果会計の本は、いくら入門書とは言っても税効果会計自体が難しいので、難しい内容であると思います。

税効果会計を始めるとなると、様々なキャリアや実績が必要になります。経理だけの知識には止まらす、税金に関する知識も必要になると思って良いでしょう。ですから経理会計のスペシャリストでもかなり難しいと認識しておくと大変さがお分りいただけるかと思います。

とは言うものの経理会計のスペシャリストになるまで待つのはあまりにも無理な話ですので、まずは取り掛かりとして入門書を読んで勉強する事から始めてみてはいかがでしょう。

2009/12/12

税効果会計の講習を受講してみましょう

税効果会計の知識を持つ為に、税効果会計を教えてくれる実務講習等が有ります。

税効果会計は海外では浸透している会計処理ですが、日本ではまだまだ導入している所も少ないですので、しっかりと講習を受けて知識を付ける必要が有ります。

講習を受けるメリットは、講習内容のレベルによるかもしれませんが、一から税効果会計について学ぶ事が出来ますのでお薦めです。講習を受ける大部分の人は、会社で経理の業務を行ってはいるけれども、税効果会計については全くと言っていい程知識がない、と言う人達が来ると思いますので、講習についていけないのではないかと言う心配はする必要はないかと思います。どうぞ安心して下さいね。

しかし、税効果会計処理は非常に難しい処理です。中途半端な気持ちでは理解する事が出来ないと思いますので、しっかりと気合いを入れて講習を受ける様にして下さい。

税効果会計の講習は探してみると色々な所で開催されていますが、比較的多いのはビジネススクール等ではないかと思います。

ビジネスマンに対して行う講習ですので、実践にそく活かせる内容の講習がお薦めです。その為には知識だけではなく、実際に実務に準じて実践してみるタイプの講習を受けられるのが良いのではないでしょうか。その方が知識と実務を結び付けやすいので頭にも入るようになるかと思います。

難しいからこそ分かりやすく教えてくれる講習内容を選択し、是非税効果会計を勉強して技術を身につけて下さい。

2009/12/10

税効果会計の簡単な説明

税効果会計という言葉を聞いた事があるでしょうか。
税効果会計は、法人税と言った税金等を財務会計に
照らし合わせ、目的に応じて適切に期間配分させる
為に使われる会計処理の事を指しています。

現在日本では、財務会計上において、認識時点が
費用収益と税務所得計算上の損益とで差異が生じる
事が分かっています。
こう言った事を受けて、通常財務会計上では、
その期の純利益を算出する時に、法人税等の税金を
差し引く様にして申告するのですが、この税金の
金額が必ずしも今期における金額であるとは確信
できない為、今期の経営成績が適切ではないのでは
ないかと言う批判が有った様です。

そうなると、会計処理上、金額が合わなかったり
不具合が出て来たりする可能性が高くなります。

こう言った問題を起こさない為、また解決させる
為に「税効果会計」と言う会計処理が導入される
事になったと言う経緯があったようなのです。

税効果会計が導入された経緯は分かった物の、
具体的に「税効果会計」で行う会計処理がどういう
物かと言うとよく分からない人が多いのではない
でしょうか。

少し具体的に説明すると、例えば未来の法人税等の
支払が減って行く要因となっているのが、今期以前に
発生している場合は、繰延税金資産として計上される
ようになります。その逆として、未来の法人税等の
支払いが増えていく要因となっているのが、今期
以前に発生している場合は、繰延税金負債が計上
される様になると言うことになると思います。

2009/12/09

税効果会計を具体的に説明すると

税効果会計を説明してみたいと思いますが、説明がなかなか
難しいです。
そこで具体的に数字を挙げて説明してみたいと思います。

まず、税効果会計と言うのは会計上における収益や費用、
それに対する法人税等の益金と損金において認識上ズレが
生じる場合があるので、その差異を調整する為の会計手段の
事を指しています。

例えばですが、税会計上において貸倒損失が100万円計上
されたとします。
しかし法人税法上においては損金算入が認められている為に、
その損金算入の金額が50万円だったとします。
100万円から50万円を引いた残り50万円が所得として
加算される事になります。

しかし、法人税の実効税率が30%とした場合、50万円の
うちの30%ですから15万円は税金と言う事で支払わなくては
いけません。

とはいう物の、将来的に差し引きで残った50万円に関しても
貸倒損失として認められたら、取り返せる場合があります
ので、税金として支払った15万円も本当の費用と言う事には
ならなくなります。

ですから、税金として支払った15万円を繰延税金資産と言う
形で資産計上する事にして、税会計上においては実際に納付
する法人税額から繰延税金資産を差し引き、結果的に
損益計算書を調整させ作成する事が出来ると言う事になります。

以上の事から、税効果会計と言うのは、税務上合う様に調整して
差異を無くすように平準化させ、会計として成り立たせるための
会計処理になるのです。